過去の南海地震から将来の南海地震発生時期を予測する
−タイムプレディクタブルモデルについて−


地震は繰り返し発生することが知られています。この繰り返しの間隔や地震の規模などに何らかの関係があるのではないか、とは誰しも考える疑問です。さらにその関係が明らかになれば、次に発生する地震の時期や規模などを知ることができる可能性があります。南海地震は、この繰り返しの歴史が明らかになっていることで世界的に有名な地震です。過去の南海地震の記録から、地震の繰り返し間隔と規模の関係を明らかにすることが試みられました(Shimazaki and Nakata, 1980)。

過去の地震の規模を正確に推定することは困難です。南海地震では、地震によってもたらされた室戸の室津港の水深の変化、つまり地震による隆起量が古文書に残されています。これは地震の規模を表現していると考えることができます。宝永地震、安政地震、昭和地震による室津港の隆起量はそれぞれ180cm、120cm、110cmでした。地震の発生時期は西暦1707年、1854年、1946年でしたので、これらをグラフに示すと図1のように描くことができます。このグラフからは、大きい地震のあとは次の地震までの間隔が長く、小さい地震のあとは次の地震までの間隔が短いという関係が成り立つことがわかります。

図1. 室津港の過去の南海地震における隆起量と地震発生間隔の関係

南海地震の記録だけでなく、房総半島や喜界島(鹿児島県)の地震隆起の記録についてもこの関係が成り立つことから、タイムプレディクタブルモデル(時間予測モデル)が提唱されました。これは、繰り返し発生する地震について、過去のいくつかの地震の規模と発生間隔がわかれば、最後(最新)の地震の規模から(次に発生する地震の規模はわかりませんが)次の地震までの間隔はある程度予測できるというモデルです。このモデルは現在の地震の長期予測に使用されています。

図1を見ると、次の南海地震は2030年代の後半あたりに発生することが予想できます。昭和南海地震は比較的小さな規模の南海地震でしたので、次の地震までの間隔は平均よりは短くなると考えることができます。



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