花卉園芸学研究室は、従来から蔬菜園芸学分野(西村安代先生,山根信三先生)や果樹園芸学研究室
(尾凡生先生,濱田和俊先生),植物生産システム学(安武大輔先生)などと連携し,高知県特産の園芸
作物の生産技術や組織培養による苗生産に関する研究を行っています.花卉のみでなく熱帯果樹や野
菜の研究も行っています.また,最近では光環境制御による植物の生長制御に関する研究や,園芸作
物生産のための波長変換用フィルムや水銀レスの次世代光源(FEL)開発も行っています.
高知県は古くから施設園芸が盛んな地域であり,花卉でもグロリオサやオキシペタラム(ブルースター)
は日本有数の生産地となっています.また,高知は自然環境にも恵まれ野生生物資源の宝庫でもあり,
貴重植物資源の保存や増殖・利用に関する研究も行っています.
花卉園芸学研究室の研究課題は、「高知県特産園芸作物の高付加価値化」と「ランの生理・生態学的
研究」です。私たちは、近年は温暖化など地球環境の変化が話題になっていますが,最後の氷河期であ
るヴェルム氷期は7万年前に始まり約1万年前に終わっています.このように長期的には地球環境は寒
冷化や温暖化を繰り返し大きく変化する中で、それぞれの気候に対応した植物分布地域の移動や進化
などが起こり,生態的分化が起こっています.我々はこれらの気候変動に対応した進化にメカニズムを
解明し,生態を理解することによって,気候や地域に対応した植物生産について考えています。
ランの組織培養による苗生産,絶滅危惧種の増殖
波長変換用被覆資材の開発 (高知大学理学部 吉田研究室との共同研究)
植物栽培用の次世代光源FELの開発 (高知FEL株式会社,新潟大学 戸田研究室と共同研究)