課題 I

I D : b3sb025
氏名:川村 あい


私が単離した( ことにする )cDNA 配列は以下のとおりである.



                        <単離 cDNA 配列>


これを BLAST で検索すると,これがコードしていると思われるアミノ酸配列の候補が出た.
このうちの TOP 10 を以下に示す.



この結果より,単離した cDNA は Glyceraldehyde 3 - phosphate dehydrogenase であると考えられる.
また,念のためTOP 100 くらいまで確認したが,全てにおいて Frame = - 3 であったので,この cDNA の読み枠は Frame = - 3 であると判断した.
よって,Frame = - 3 に設定して,EMBL - EBI を用いて,単離した cDNA 配列をアミノ酸配列に翻訳した.
すると,以下のような結果が得られた.


                      <単離アミノ酸配列>


ここで,この単離アミノ酸配列と,先程の BLAST 検索の結果 TOP 10 にきたアミノ酸配列との alignment を Clustal W で作成してみた.
( ここでは,特によく一致している配列だけを示した.)


★Glyceraldehyde 3 - phosphate dehydrogenase とは?
( グリセルアルデヒド 3 - リン酸デヒドロゲナーゼ )


★タンパク質の立体構造の推測


★系統樹

ここで,単離した cDNA がどのような生物由来かを知る手がかりとして,単離したcDNA がコードするアミノ酸配列と,それに似た配列をもつ生物とで系統樹を作ってみた.

系統樹の生物の名前を日本語に直すと,次のようになる.


上の系統樹を見ると,根元で 2 通りに分かれており,単離した cDNA を持つ生物以外は全て上向きに枝分かれしている.
また,上向きの枝には哺乳類と鳥類が分類されている.
つまり,脊椎動物であるので,mine は,限りなく脊椎動物に近い無脊椎動物か,もしくは魚類等の脊椎動物である可能性をもつ.
しかし,これだけでは判断できない.

というわけで,もう少し生物を増やしてみると・・・

DROME = Drosophila melanogaster (Fruit fly) = ショウジョウバエ
XENLA = Xenopus laevis (African clawed frog) = アフリカツメガエル
HOMAM = Homarus americanus (American lobster) = アメリカンロブスター
CRYCU = Cryptococcus curvatus = 酵母菌
NEUCR = Neurospora crassa = アカパンカビ
ONCMY = Oncorhynchus mykiss (Rainbow trout) (Salmo gairdneri) = ニジマス
CAEEL = Caenorhabditis elegans = 線虫


上に示した生物を加えて系統樹を作成すると,先程よりは枝分かれが複雑になった.
考えやすくするため,色のついた枠線で囲んだ.

また,脊椎動物は水色で囲んだ.

脊椎動物は,大きく,哺乳類,鳥類,爬虫類,両生類,魚類に分けられる.
上の図を見る限り,単離 cDNA 配列(mine )はこれらのうちのどれにも属していない.
ここでは残念ながら爬虫類を見つけることはできなかったが,魚類よりも哺乳類から遠い脊椎動物はいないので,単離 cDNA 配列( mine )はおそらく脊椎動物のものではないと考えることができる.
もちろん,ここで系統樹に表した魚類は硬骨魚類であるニジマスのみなので,軟骨魚類や無顎類である可能性もゼロではないが,もしそうであればニジマスの近 くに分類されるはずだと考えられるので,やはり単離 cDNA 配列( mine )は脊椎動物と見なすことはできない.
しかし,脊椎動物に限りなく近いところに分類されていることは確かである.
よって,このことから,脊索を持つ時期のある原索動物ではないかと推測した.
ただし,棘皮動物や毛顎動物については系統樹に表していないため,断定することはできない.


★参考文献

[ 1 ] 生化学辞典第 3 版 p.411 東京化学同人
[ 2 ] ヴォート基礎生化学 p.98 東京化学同人
[ 3 ] タンパク質の構造入門第 2 版 p.6 Newton Press
[ 4 ] 生物学名命名法辞典 平凡社
[ 5 ] ビジュアルワイド 図説生物 p.245 東京書籍

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