大学院生対象 「生体機能物質工学特講」
学部 2 年生以上対象 「生命科学特論」

『神経発生学』
講師: 勝山 裕 先生 (神戸大学医学部)




日時: 9 月 6 日(水)~ 9 月 8 日(金) 
教室: 共通教育棟 321 教室


神経系は動物体を構成する組織中もっと複雑であり、神経系を構成する細胞(ニューロン)は他の組織器官を構成する細胞では見られない多様性を示し、個々の ニューロンの形態も複雑かつ多様である。神経発生過程や脳神経機能には膨大な数の遺伝子が関わっている。神経科学はこの様な特徴から多くの研究者の興味関 心をひきつけてきた。実験技術の開発によって具体的な 1 つ 1 つの問題に対してアプローチできるようになってきた事から、現在では研究者人口が多く、進展が 速い巨大な科学分野となっている。本講義では、神経発生生物学の各トピックについて発生過程の順に従って解説する。またバックグランドとして神経組織学、 神経生理学、神経解剖学についての基礎的な知識についても説明を行うことで神経科学全般に関しての理解も促したい。予定している内容は以下の通り。

1.神経組織学(神経系の区分、神経系の構成成分)
2.神経生理学(膜特性、シナプスと神経伝達物質)
3.神経解剖学(中枢神経系総論、末梢神経系総論、神経解剖学各論)
4.動物初期発生と神経誘導
5.神経分化
6.神経パターニング
7.細胞移動
8.Cell death と cell survival
9.軸索ガイダンスとターゲッティング
10.シナプス形成
11.神経変性、再生、老化

勝山先生 集中講義
写 真: (ABCD) マウス脳 in situ ハイブリダイゼーションにより 4 種類の転写制御因子の発現を検出した。嗅球、大脳皮質、上丘、小脳で明瞭な層構造が観察できる。海馬、視床では領域ごとに異なる遺伝子が発現している。 (E) 大脳皮質錐体細胞は皮質脊髄路を形成する。(FG) reeler 変異マウスでは層構造を形成する投射ニューロンの分布が異常になる。(H) 新規転写因子がゼブラフィッシュ小脳プルキニュエ細胞で発現している(矢尻)。


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