興味のある人,学部学生でも大学院生でも,学部学科に関わらず全員が対象です。

『ホヤで分かるヒトの脳の仕組み』
津田 基之 先生 
(兵庫県立大学生命理学研究科名誉教授)
(徳島文理大学香川薬学部客員教授)




日時: 6 月 15 日(金) 16 時より
教室: 共通教育棟 321 教室


私 たちの祖先をたどっていくと、ホヤにいきつきます。ホヤは脊索動物の原始系で、ヒトと同じボディープランを持っています。全身の細胞数は2600程、中枢 神経に限ればその細胞数は100程度(ヒトの神経細胞は約一千億個)です。私たちは100個のホヤの神経細胞の回路網を解けば、ヒトの脳の基本的な仕組み が分かると思い研究をしてきました。
 ホヤ(カタユウレイボヤ)のオタマジャクシ型幼生は海底で生まれ、その幼生期(約10時間)の前半は平衡器 (3個の細胞)を使って上昇運動を、後半は視覚器(36個の細胞)を使って下降運動をして海底に固着、変態します。本講演では、光、重力を感知してどのよ うな神経細胞により情報処理がされ、筋肉細胞を駆動して遊泳行動に至るかを、遺伝子、細胞レベルで解説します。

Synaptotagmin タンパクの蛍光抗体染色
写 真は、ホヤ幼生の神経回路網を神経特異的マーカーであるシナプトタグミンに対する抗体を用いて免疫染色を行ったものです。このようにホヤ幼生の脳神経系は 前方部から、付着突起、眼点、平衡器という2つの感覚器を含む脳胞、モーターニューロンを含む運動神経節、神経索の4つの部分に分けることができます。本 発表では、この神経回路網のうち光受容から筋肉の駆動に至るまでの神経回路網に焦点を絞って報告します。


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