1 人に 1 本ずつの試験管を渡します。試験管には,
2x YT/amp (a)
液体培地が 1.5 ml 入って
います。その中で大腸菌が増殖中です。そこから作業開始です。約半分の人は pCR II-
mCherry を,残り半分の人たちは SK+
EGFP を使います。
1.
大腸菌のコロニーを爪楊枝で 1 個つついて,試験管の培養液に入れる。
注: 無菌操作のコツは,当日実演して教えてあげます。
2.
37℃ の,シェイカー付きのウォーターバスで一晩,振盪培養する。
3.
(・・・翌日) 試験管の大腸菌を全部エッペンチューブに移す。
注: ピペットを使う必要はありません。
4.
30 秒遠心して大腸菌を沈殿させる。
5.
上清(培養液)を完全に捨てる。
最後はマイクロピペットを使って、できるだけ完全に捨てます。
6.
Solution I (b) を
100 μL 加え,ボルテックスして沈殿をほぐす。
7.
Solution II (c)
を 200 μL 加えて,エッペンを上下させて混ぜる。
注
1: 大腸菌が溶けて液の濁りが消えます。大腸菌のゲノム DNA と RNA,タンパク
質,そしてプラスミド DNA
などが溶液中に溶け出します。ゲノム DNA は 480 万
塩基対に及ぶため溶液がネバネバするはず。試しにフタを開けてみましょう。
溶液が糸を引くのがわかりますか?
注
2: ボルテックス不可! 激しく攪拌するとゲノム DNA が断片化して,プラスミド
DNA と分離できなくなります。
8.
氷上に 5 分おく。
9.
Solution III (d) を
150 μL 加え,エッペンを上下させて混ぜる。
タンパクが不溶化し,巨大なゲノム DNA がそれにからまって,大きな白い沈殿に
なります。
注: ここでもボルテックス不可! 染色体 DNA を断片化してはいけません。
でも確実に完全に混ぜなければいけません。
10.
遠心
10 分。
11.
上清をとって新しいエッペンに移す。
上清にはプラスミド DNA
と大腸菌の RNA,タンパク質が溶けています。このあと
フェノール抽出で除タンパクする場合もありますが,最近はほとんどの人が省略して
います。
12.
エタノールを 1 mL 加えて混ぜる。
もうゲノム DNA
はないのでボルテックスを使っても OK です。
13.
遠心 10 分。
今度は DNA と RNA
が沈殿します。タンパク質も結構沈殿します。
14.
上清を完全に捨て,75% エタノールを 200〜300 μL 静かに加える。
勢いよく入れると沈殿がエッペンの底からはがれて扱いにくくなります。
15.
軽く(数十秒),遠心する。
沈殿がチューブにくっついていれば省略してもよいです。
16.
上清を完全に捨てて沈殿を乾燥させる。
チューブのフタを開け,50℃ 程度のヒートブロックで加熱して沈殿を完全に乾燥
させます。乾燥すると透明になるはず。
17.
沈殿を 20 μL の RNase A 入り TE
バッファー(e) に溶かす。
18.
37℃ ウォーターバスに 30 分おく。
19.
できたプラスミド溶液のうち 1 μL を,新しい 0.5 mL チューブに移す。
残りのプラスミド溶液は翌日まで冷凍保存しておく。
20. 0.5 ml チューブに移した方の,1 μL のプラスミドに対して,TE 4 μL を
加え,さらに 6x 色素溶液(f) 1 μL を加えて,よく混ぜる。
21.
1% アガロースゲルで全量を電気泳動し,回収したプラスミドの量を確認する。
注: アガロースゲルについては,後でもう少し詳しく説明します (
こちら )。
まあ,専門基礎実験で経験してるから・・・わかるよね?