干潟の生物による水質浄化機能2
干潟の泥には、さまざまなバクテリア(細菌や古細菌)が住んでいます。

なかには、アンモニアイオンを硝酸イオンに変えるバクテリア(硝化細菌)や、硝酸イオンを窒素に変えるバクテリア(脱窒細菌)がいます。

硝酸イオンは植物プランクトンの栄養になりますが、あまりに多すぎると、植物プランクトンの大発生がおきてしまいます。

アサリやアナジャコのような懸濁物食者が植物プランクトンを食べることによって、また、脱窒細菌が植物プランクトンの栄養を直接とりあげてしまうことによって、沿岸域の生態系のバランスを保っています。

脱窒細菌は干潟の泥の表面や、生物の巣穴の壁面に住んでいます。

干潟にたくさんある巣穴は、干潟の動物のすみかとなるばかりでなく、細菌のすみかとなることによって、水質浄化に貢献していることになります。

干潟がなくなると、川からの豊富な栄養が海にそのまま流れ出てしまい、プランクトンが以上に増殖する「赤潮」が起きてしまいます。

赤潮が起きたあとには、海底の動物が処理しきれないほどの大量のプランクトンの死骸が溜まり、それらをバクテリアが消費する際に酸素がなくなってしまいます。

無酸素の海底では、さらに硫化水素が発生することもあり、死の海となります。

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