集中講義 
大学院生対象 「生体機能物質工学特講」
学部 2 年生以上対象 「生命科学特論」

多細胞生物のゲノム比較と進化
講師: 川島武士先生(京都大学大学院理学研究科)
9 月 12 日(月)〜 14 日(水) (共通教育棟 221 教室)

(注) 教室が変更になりました。



川島先生集中講義

1995 年にインフルエンザ菌の全ゲノムが決定されてから,数多くの生物のゲノム配列の決定が行われている。1998 年は初の多細胞生物ゲノムとしてセンチュウゲ ノム配列が公開され,2000 年にはホールゲノムショットガン法によるハエゲノム,2001 年にはヒトゲノ ムのドラフトアセンブリーの公開が行われた。これらと相前後して,ハマダラカ,フグ,ホヤなどの,遺伝学的バックグラウンドを持たない実験動物についても ドラフトゲノムが公開されている。つまり,実験室で何世代にわたって維持し続けるような努力をしなくても,自然にいる生き物を採ってきてそのゲノムを解読 することが,ある程度可能になっているということである。このようなゲノム配列解読技術の進歩とともに,比較ゲノムと呼ばれる学問領域が広がりをもつよう になってきた。数年間には酵母とヒトのゲノムを比較して議論していたのが,今では進化的に近い 2 生物種のゲノム比較や,さらに同一生物種の個体間のゲノム比較といったことが,高等多細胞生物においても可能になっているのである。

講義では,ゲノ ム学の歴史的な背景からはじめ,現在に至るゲノム配列決定法の進歩,多様な生物種でゲノム配列が決定されたことによって可能になってきた比較ゲノムと,そ れによって明らかになってきた進化学的な知見について概説したい。


お問い合わせは 藤原滋樹( tatataa@cc.kochi-u.ac.jp ) まで



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