- ●当研究室は、森林資源の化学的有効利用ならびに機能材料化を目的としています。
●特に、セルロースおよび紙パルプ分野を中心として、研究を行っています。
●セルロースは、地球上の陸地に存在し、最大の資源量を誇るバイオマス資源です。
●その代表例である”紙”は、木材から取れるセルロース繊維から出来ており、新聞用紙、印刷用紙、情報用紙、ティッシュペーパー、トイレットペーパーおよび段ボールなど、日々の生活で使わない日はないと思います。
●私の研究で扱う"紙”、”紙”をシート状素材として捉え、”紙”をより付加価値の高い機能材料に生まれ変わらせることを特徴としています。従来は紙の利用が困難であった水環境で使用可能な紙、環境浄化機能を有す紙、環境応答性を有す紙などを今まで取り組んできました。
●また、プラスチックによる海洋汚染が問題となっており、脱プラスチック化が求められています。セルロースはその代替材料として、注目されており、生分解性材料としての研究も進めています。
● 近年、環境への意識の高まりから、廃棄物の有効活用が望まれています。そのニーズに即し、製紙スラッジ、紙おむつや農業廃棄物(ユズ皮など)をはじめとする様々な廃棄物対策に関する研究を進めています。特にバイオマスリサイクルに着目しています。
●コロナ感染の拡大により、抗菌や抗かびなどの衛生に関するニーズも高まっていることから、抗菌・抗かび材料について研究も進めています。
●そして、森林資源に関する研究を取り組むことにより、地球環境問題解決に役立ちたいと考えています。
●もう一つの特徴として、我々の研究室では、多種多様な企業や研究機関と共同研究や国の研究プロジェクトを行っています。
●このように当研究室では、先進的かつ社会貢献を行う研究がメインとなっており、世の中に役立つ研究を目指しています。
●我々の研究室で扱っている分野は未知の部分が多く、意外な結果がでてくる機会が多いことが特徴です。
●私の研究室を選択する学生は、地球環境に関心がある学生、森林資源に関係する新しい材料に関心がある学生、自治体などへ新しいインフラシステムを提案をしたい学生が多いように思います。
● こういった新たな発見をした学生は、積極的に学会発表を行い、優秀発表賞を授賞しています(10件受賞)。そして、授業料免除および奨学金返済免除となっています。
●新しいことを間近で発見したい方、ものづくりに興味のある方、将来は企業の研究・開発分野に就職したい希望のある方、今ある資源や森林を有効に使うことを考えたい方は当研究室に来ることをお勧めします。
卒業生の進路は多種多様です。大学院進学、公務員、高校教員、製紙会社、印刷会社、化学系メーカーなど製造業に就職しています。
かつての卒業生は製造業に就職する学生が多い傾向でしたが、最近は公務員を目指す学生が多くなっています。実験の合間に勉強をしているようです。
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学生受賞歴
- 第35回 日本木材学会 中国・四国支部研究発表賞(口頭発表)(2023年)、” 使用済紙おむつから回収したパルプを活用した撥水シートの調製 -フォトフェントン反応の影響―”
(2024年9月) 野嶋啓史
- 第34回 日本木材学会 中国・四国支部研究発表賞(口頭発表)(2023年)、” フォトフェントン反応を活用した紙おむつリサイクル -リサイクルパルプの性質に影響-”
(2023年9月) 野嶋啓史
- 第33回 日本木材学会 中国・四国支部研究発表賞(口頭発表)(2022年)、” 促進酸化法を活用した紙おむつリサイクルー各種酸化条件がリサイクルパルプにおよぼす影響―”
(2022年9月)吉田周生
- 第30回 日本木材学会 中国・四国支部研究発表賞(口頭発表)(2019年)、” 製紙薬剤として調製したイオン液体処理パルプの機能” (2019年9月)山本純士
- 第67回日本木材学会 最優秀運営委員長賞、、排水中の医薬品を選択的に吸着する機能紙の開発、福岡、2017年3月17-19日. 川原悠
- 第28回 日本木材学会 中国・四国支部研究発表賞(展示発表)(2016年)“イオン液体を活用した活性炭含有紙の耐水性と水環境浄化能” (2016年9月)廣瀬友香
- 第28回 日本木材学会 中国・四国支部研究発表賞(口頭発表)(2016年)、”界面重合反応および分子インプリント法を活用した水環境浄化シートの開発”
(2016年9月)川原悠
- 第62回 日本木材学会大会 優秀ポスター賞、“界面重合法を活用した剥離紙不要粘着 紙の調製 -調製条件と剥離強度の関係-” (2012年3月)坂本世悟
- 第22回 日本木材学会 中国・四国支部研究発表賞(展示発表)(2010年)、“界面重合を活用した新しい機能紙創製技術の開発 ‐表面ナノ構造の形態制御とその吸着特性‐”
(2010年9月)清家 武憲
- 第21回 日本木材学会 中国・四国支部研究発表賞(口頭発表)(2009年)“イオン液体を利用した新しい製紙スラッジ処理手法の開発” (2009年9月)中谷拓弘
- 第76回 紙パルプ研究発表会若手優秀賞(ポスター発表の部)(2009年)“界面重合法を用いた紙と疎水性機能材料の複合化技術の開発 ‐柑橘精油の定着条件の検討‐”
(2009年7月)高山将
卒論・修論一覧
R6年度(2024年度)
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修士論文
- 促進酸化法で処理したセルロースを活用した生物資源材料の開発 野嶋啓史
- Humaira Rai(パキスタンからの留学生)
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卒業論文
- 紙おむリサイクルに関する研究 ーリサイクルパルプへの抗菌性付与ー 高橋 怜那
- 脂肪酸を活用した紙への撥水性付与 中村 涼介
- レーヨンへの生分解性コントロール機能付与 南畝 真弥