長期研修受入れ
(文章:幡多農業高校K教諭)



どのようなことに取り組んだのか?

 主に、地理情報システムを活用した専門高校向け教材の開発に取り組み、森林系学科で開講されている「森林科学」に向けた教材を完成させました。教材は基礎教材と応用教材の2種類に分かれています。基礎教材では、基礎教材公開ポータルサイトを構築し、教科書の中から、GISを用いることで教育効果があると考えられた項目を洗い出し、それに関するデータを格納しました。教員の指導のもとパソコン作業が苦手な生徒でも負担なく使用できる設計になっています。応用教材は、生徒が自ら考え、GISソフトウェアを操作する主体性を重視した設計になっています。教材について生徒・教員からは、肯定的な意見が多く、各種データを1か所に集約し、地理情報システムについて詳しくない教員でも使用できるようにしている点が特に高い評価を得ました。また、各研究調査に同行・参画し、学会発表にも挑戦しました。

どのような成果が得られたか?

 地理空間情報技術に関する基礎的な知識・技術を身につけることができました。座学で理論的なことを学びながら、各研究調査に同行・参画することでGISソフトウェア、GNSS測量機器やUAV(無人航空機)の使用方法を理解しました。また、論文の書き方や発表資料の作成方法、データの取り扱い方、そして適切なスケジュール管理法など社会人として必要な知識を再学習し、研修を通じてこれらのスキルを向上させました。上記のことを通して、研修以前より自己管理能力や業務に対する自信が高まり、新たな挑戦にも積極的に取り組む姿勢を持つことができるようになりました。

なぜこの研究室で研修を受けようとおもったか

 これからの学校教育で必要な内容を学べるからです。農業高校ではさまざまな実習が行われていますが、地理空間情報技術を活用した実習・演習はほとんど行われていません。新学習指導要領でも農業科で地理空間情報技術を活用することが推進されています。今、必要とされている知識・技術を身につけたいと考えました。

研修を通じて、教員に対する感想

 橋本先生は、周囲の人から信頼を寄せられる愛情深い人物です。仕事に対する真摯な姿勢や細部にまで気を配り、何事にも全力で取り組む姿勢は、今後働く上で手本としたいです。また、学生一人ひとりに真摯に向き合う姿も非常に印象的でした。ときには厳しく、メリハリを持って生活することの大切さも橋本先生から学びました。 さまざまな知識・技術を身につけられたことはもちろんですが、尊敬する恩師かつ、その行動を真似したいと思える上司の元で過ごせたこの1年間は、私の人生でかけがえのない財産となりました。