◎粉体試薬の秤量の仕方と溶液の作り方

(例)0.5 Mのカコジル酸ナトリウム水溶液(pH 7.4)100 mLを作製する.

使用する実験台と天秤,pHメーター周りをアルコール噴霧して台ふきできれいにしておく.

1.カコジル酸ナトリウムは毒物であるので,毒劇物ロッカーをカギで開けて取ってくる.

2.薬瓶のラベルを見ると,カコジル酸ナトリウムの分子量は214で含有量は98%と記載されている.このことから,カコジル酸ナトリウムが1 L中に218.4 g(214/0.98)存在すれば1 Mの濃度になるとわかる.作製する水溶液の濃度は0.5 Mであるので,0.5 Mの溶液を1 L作るなら,カコジル酸ナトリウムは109.2 g(218.4/2)が必要となる.でも,実際は100 mLを作るので,10.92 g(109.2/10)を秤量すればよい.

3.100 mLの溶液を溶かし,また,容量を測定するため,100 mLのビーカーと100 mLのメスシリンダーを手元に用意する.メスシリンダーは実験台の上に倒し,転がらないようにしておく.

4.カコジル酸ナトリウムの溶液を保存する容器(100 mLのスクリューキャップ付メディウム瓶)を手元に持ってくる.カコジル酸ナトリウムは遮光する必要がないので,透明瓶でもよい.

5.流しからバットまたは取っ手のついたプラスチックビーカーを持ってくる.

6.10.92 gを秤量するので,精密天秤ではなく,普通の天秤を使う.天秤のカバーを取り,「ON-OFF」を押して電源を入れる.

7.抽斗から薬包紙を取り出し,二つ折りにし,天秤の上におく.「RE-ZERO」を押して表示を0グラムにする.

8.抽斗からスパーテル(薬匙)を取り出し,カコジル酸ナトリウムの瓶の蓋を開け,粉体をスパーテルを使って薬包紙の上に載せる.左手に薬瓶,右手にスパーテル.

9.10 gに近づいてきたら,薬瓶を置き,右手に持ったスパーテルを左手の指でとんとんとたたきながら少しずつ粉体を薬包紙の上に落としていく.

10.10.92 gになったら,粉体の落下をやめ,スパーテルに残っている粉体を薬瓶に戻す.

11.スパーテルを洗いバットに入れる.

12.薬包紙の粉体を注意深くビーカーに入れる.

13.ビーカーに二次蒸留水を70-80 mLくらい注ぎ入れる.

14.抽斗に入っているスターラー回転子をピンセットを使ってビーカーに入れる.

15.ビーカーをスターラーの上に置いて回転子を回し,粉体を完全に溶かす.

16.毒劇物ロッカーの使用記録簿を取り出し,カコジル酸ナトリウムのページに使用日時,使用者,使用量を記録する.

17.カコジル酸ナトリウムの薬瓶をロッカーに戻し,カギを掛ける.

 →pHの調整

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