高知大学　応用自然科学専攻海洋自然科学コース

海底鉱物資源とは？

「海洋」は、生活圏から遠く離れているため、日常的には意識することは少ない。しかし、実は地球スケール、地史スケールでは地球の表層環境の変動をを強く規制しています。人類の活動フロンティアが拡大し、陸海の相互作用が実感をもって語られるようになった現在、深海底は静寂・静穏・無生物の世界では決してありえず、エネルギー・物質が行き交うダイナミックな世界であると認識されます。
したがって、「海洋」は長い大きなスケールで資源を生み出し続けるファクトリーなのです。「海からの恵み」のなかで、海底金属鉱物資源はとくに注目されていて、その形成現象を地球表層における物質循環の一過程と捉えながら海洋地質学的、鉱物学的、地球化学的アプローチにより、資源物質の形成環境・形成プロセスを明らかにすることが大きな研究目標となっています。近年、「深海底」について多くの知見が蓄積され、調査・開発技術が革新的に進歩したことによって、深海底資源･エネルギーの開発は、決して「遠い将来へのロマン」ではなく、現実問題として迫ってきました。それでもなお、海はまだ、夢・恵み・不思議に満ちた未知の世界です。賢明な資源開発と環境保全問題の解決には、「海を知ること」、つまり海の生い立ち・性状・挙動，応答を深く理解する必要があるのです。