高知大学教育研究部総合科学系複合領域部門(農林海洋科学部) 三浦研究室

研究理念

自然界は不思議に満ちています。これまで沢山の研究者がその謎解きに挑んできましたが、未だに分からないことばかりです。その謎を一つでも解くこと、そして複雑に絡み合った現象の中から出来るだけ単純な法則を見つけ出すこと、それが私の目標です。研究材料としているのは、主に海や川の無脊椎動物です。これらの生物が織りなす共生や寄生といった生物間相互作用の仕組みの解明に全力で取り組んでいます。特に現在の研究の中心となっているのは、潮間帯に生息する巻貝と寄生虫の生態・進化についての研究です。詳しくは→こちらをご覧ください。


研究アプローチ

生態調査

ある生物に興味を持った時に、まず初めに知りたいのはその生物の生活史・食性・天敵などの生態的な情報です。しかし、多くの場合、生物の生態は十分には調べられてはいません。したがって、研究に必要な生態情報を収集するため、野外で現場に張り付き、生物の生活や行動を詳しく観察します。このような観察から研究の基礎となる情報が蓄積すると、そこから様々な仮説が生まれてきます。飼育実験や下記のアプローチによって、それらの仮説を検証します。


分子遺伝解析

生物の生態的特性はしばしばその生物の過去の歴史を反映しています。しかし、生物の外観から過去の歴史を知るのは至難の業です。生物の細胞の中にあるDNAには、そのような過去の歴史を紐解く重要な情報が刻まれています。生物のDNA配列を決定し、その情報を基に「進化の樹」と呼ばれる系統樹を作り上げることで生物の過去の歴史を推定し、現在見られる生態特性の成因を探ります。



化学分析

生物間のコミュニケーションには化学物質が深く関わっています。特に視力や聴覚があまり発達していない生物では、その傾向は顕著です。しかし、生物間のコミュニケーションを担う化学物質の特定はあまり進んでいません。私の研究室では、生物が放出する化学物質の分析を行うことで、生物間コミュニケーションの役割を担う化学物質の特定に挑んでいます。