香南市水産振興施設について

はじめに

学生の皆さんが、よく本施設を大学の施設と勘違いしていることがあります。
ここは香南市の施設であり、大学は賃貸契約を結び使用料金を支払って利用をしています。
学生を中心とした利用者の皆さんにどうしてこの水産振興施設を利用できているのかを理解して貰いたくて本ページを作りました。
【水産振興施設の設備については、こちらをどうぞ】

利用のはじまり

本施設は赤岡町の所有する施設でした。→現在は市町村合併により香南市が所有者になっています。
もともとは、ヒラメの商業的な養殖施設として建てられました。
諸事情があり、養殖はしばらくの間は行われておりませんでした。
 
赤岡町で施設を再稼働する必要性が生じ、そのなかで赤岡町が高知大学と受託研究を結び、水族栄養学研究室に運営が一任されました。
 
平成15年8月より平成25年3月までのほぼ10年間がその契約期間にあたります。
 
この10年間は、施設の光熱水費を赤岡町が負担する代わりに、大学は年間にマダイもしくはヒラメ稚魚を1万匹(目標)を放流するというのがノルマでした【放流事業】。

再稼働について

再稼働するにあたり、場内の掃除や水槽の立ち上げ等は水族栄養学研究室が単独で行いました。非常に大変な作業だったと聞いています。

放流事業について

このノルマは水族栄養学研究室が単独で担当してきました。かなりつらかったです。
4月から8月までの約半年は放流事業用の魚の世話で土曜も日曜も休みを取れませんでした。
特にヒラメはお腹が減ると共食いをしますし、1日1回の水槽掃除も必須でした。
そのため、自分達の試験を開始するのもいつも8月からでした。
それまではヒラメの世話が忙しく、自分達の実験をする余裕がありませんでした。
H24年度末の香南市との受託契約の終了にともない、本事業も終了しました。
 
深田が担当を務めてからの放流数。
平成17年度 ヒラメ   3,000匹 マダイ 6,000匹
平成18年度 ヒラメ  11,000匹 
平成19年度 ヒラメ   7,000匹
平成20年度 ヒラメ   9,500匹
平成21年度 ヒラメ   7,500匹
平成22年度 ヒラメ   8,000匹
平成23年度 ヒラメ   9,000匹 マダイ 300匹
平成24年度 ヒラメ   10,000匹
総計     ヒラメ  65,000匹 マダイ 6,300匹
 
放流事業も他の所では3センチ程度で放流してしまうのですが、私は放流効果も考えて10cmを越えるまで飼育していました。
エサ代はかかるし、水槽をたくさん使うため、しんどい事業でしたが、がんばりました。(標識放流によって何度か採捕の連絡もいただいています。)

現在の運営状況について

現在の運営状況は金銭面で苦労しています。大学には契約の窓口になっていただいていますが、運営に関しては1円も支援を受けておりません。
運営の費用は利用している教員が得てきた外部資金でまかなわれています。1年で必要な経費は400-500万円くらいです。
 
平成25年4月から平成31年3月までは、Alltech 社が基本利用料金を負担くださいました。
光熱水費は利用者で使用水槽数で按分です。

飼育施設の管理等として、ポンプの交換とメンテナンスの立ち会い、照明の交換、換気扇の修理、冷凍庫の修理依頼と担当などがあります。台風や停電時の対応もあります。
 
そこまでして教育や研究のために施設を維持をしています。

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