どうして地震が起こるのか
どうして地震が起こるのかといえば、それは高知の大地は常に海側から押されつづけているからです。プレートという言葉を聞いたことがあるかと思いますが、地球の表面は十数枚のプレートと呼ばれる板状の岩盤に別れていて、それらがゆっくり押し合いへし合いを繰り返しています。ちょうど高知県の下はフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいる所なのです。

図2 高知沖におけるプレートの沈み込み
地震が発生するのは×印の付近(上の鳥瞰図は縦を強調、
下の断面図は縦横の比率がおよそ1:1)。
南海地震は、遥か沖合の南海トラフで起こると思われていますが、地震が発生するのはユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界面ですので、トラフよりも陸側になります。つまり南海地震は、正確には南海トラフの下ではなく、高知県の下で起こるのです(高知市では地下30km付近)。

図3.地震発生の模式図
プレートが沈み込むとき、抵抗なくするすると滑り込めば地震は発生しません。しかし固い岩盤はくっつき合って、そこに歪みがたまってしまいます。ぐいぐい押し込む力に耐えきれなくなった時に、ばりっと岩盤が破壊して地震が発生します。
高知の足元におけるこのプレートの沈み込みは少なくとも7000万年ぐらい前から続いていて、まさに数え切れないほどの南海地震を起こし続けてきました。高知の地盤の基礎を成す岩石は、もともと深い海の底で堆積したものです。それが、海側から押す力によって陸上に押し上げられ、いまの大地を造っているのです。
私たちが暮らしているこの高知の大地は、実は南海地震によって造られてきたのです。