過去の南海地震の揺れ
南海地震の揺れはどのくらいになるのでしょう。
次の地震を予想する基礎はすべて過去の南海地震にあります。そこで、ここではまず過去の南海地震の揺れについて見てみましょう。

図10 高知県周辺の宝永および安政南海地震の震度分布(宇佐美、1989;1996より)
宝永の地震では室津と宿毛大島で震度7、高知で震度6-7、その他の海岸沿いの地域でもほとんどが震度6になっています。安政の地震では中村で震度6-7、それ以外の沿岸沿いの地域では震度6から震度5-6であり、県内は全域がほぼ震度5以上になっていることがわかります。
さらに地震の揺れについて忘れてはならないポイントがあります。それは地盤の問題です。昭和南海地震の際、全体的には揺れよりも津波による被害の方が大きかったのですが、中村は例外で揺れにより大きな被害がでました。中村は震源域に近いことが原因のひとつです。しかし同じような条件の室戸では揺れによる被害はそこまで大きくなかったことから、もうひとつの原因は地盤の弱さにあることがわかります。

図11 昭和南海地震による県下の建物の倒壊率(金井ほか、1947より)