南海地震に備える
南海地震に備えて、ここではその正体を明らかにすることを目的とします。地震に「備える」にはいろいろな方策があります。家族の避難場所を決めたり、家を耐震構造にしたり、避難道路を拡張したり‥。またお年寄りにとって、若い人にとって、学校の先生にとって、行政の職員にとって、あるいはその人の立場によって「備える」内容は変わってきます。
それぞれの「備える」のために、南海地震とは何なのか、何がわかっていて、何がわかっていないのかを明らかにすることが必要です。現時点でもっとも正しいと思われる南海地震象について、特に高知に住む人の立場に立ってお伝えするのがこの冊子の目的です。
次の南海地震がいつ発生し、どの程度揺れ、どの程度の津波が襲来し、そしてどのような災害を招くのか、残念ながら正確なことは何もわかっていません。この災害に「備える」ためには、私達一人一人が地震を知り、日頃から自分で危険を判断する力をつけることが大切です。

図1.西南日本周辺の海底地形図。海水を取り除いて海底の地形をみれば、海のプレートがゆっくり陸の下に沈み込んでいる様子がわかります。